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銭塘江

波が下流から押し寄せる!天下の奇観 ~銭塘江逆流~

 

逆流は、潮の満ち引きと独特の地形によって起きる「海嘯(かいしょう)」といわれる現象のことです。世界三大逆流と呼ばれ有名なのは、ブラジル・アマゾン川のボロロッカ、イギリス・セヴァーン川、そして今回ご紹介する中国・銭塘江の逆流です。

銭塘江の逆流のメッカとして注目される塩官鎮は、杭州に向かう途中、上海から約2時間の場所に位置し、宋の詩人・蘇東坡(そとうば)によって「八月十八潮、壮観天下無(8月18日の潮、その壮観さは天下に無し)」と称えられています。銭塘江の神秘的な逆流現象は古来より多くの人々を魅了してきましたが、その一方で逆流に堤防を壊され、修理をするたびに莫大なお金を費やしたことから「銭のかかる堤防の川」という意味で「銭塘江」という名称になったともいわれています。毎年旧暦8月の中秋節の頃、塩官鎮では「中国国際銭塘観潮節(逆流祭り)」が開催され、中国はもとより世界各地からの旅行者で溢れ、CCTVなどのメディアも実況中継を行うほどの賑わいぶりを見せます。

 ≪逆流のメカニズム≫満月や新月の時、月と太陽の引力と遠心力によって引き起こされる「潮汐力(ちょうせきりょく)」と普段よりも干満の差が大きくなる大潮とが重なり、時として川の逆流を引き起こします。満潮時に向かって潮が浅い河川に侵入する際、速度の上がった波の流れがつかえ、その圧倒的な水量が大きな波となって逆流現象が起こるのです。銭塘江は、注ぎ込む杭州湾がラッパ状に広がっていることに加え、湾の入口に点在する舟山諸島が潮流を複雑にしていること、台湾海峡からの潮流のスピードが海峡の幅が狭まるにつれ強くなることなどの理由から満月と新月の時期に逆流が発生します。

 銭塘江では、年間100回ほど逆流現象が起きていますが、旧暦8月の中秋節の頃に最も大きな逆流が発生します。この時期の潮の高さは1.5m~2m前後もあり、台風など気圧の影響を受けた高潮の時などは3mにも達する豪快な逆流が見られることもあります。満潮になり、河口の狭まった場所に集まっていた潮が川幅いっぱいに一直線の白い逆波を立て、轟音とともに一気に河上へと押し寄せていく様は、まさに圧巻!「天下の奇観」の名にふさわしい光景です。

銭塘江の逆流は、中国にいる間に是非とも体験していただきたい、豪快で神秘的な自然現象のひとつです。