孔子の故郷~曲阜~
山東省・済南から南に135キロに位置する「曲阜」は、儒学の創立者、教育家・孔子の故郷であり、65万人の人口のうち約20%が孔子の子孫と言われるほど孔子にゆかりのある土地です。
中華民族の先祖―黄帝の出身地でもあり、春秋戦国時代に魯国の都として800年にわたり栄華を誇ってた歴史もあり、長く文化の中心として栄えていました。
曲阜の「孔廊」、「孔府」、「孔林」は「三孔」と呼ばれ、北京の故宮、河北省承徳の避暑山荘と並んで、中国古代三大建築群の一つであり、1994年に「三孔」は世界文化遺産に指定されました。
孔子に対する尊敬の念のため、旧市街には孔子廟本殿より高い建物がありません。整然する街と路地、灰色の中国古典式の瓦、派手に飾られた馬車タクシー、純朴な市民の笑顔、いずれも「中国らしさ」が色濃く残された街です。
孔廟(こうびょう):孔子を祭祀する廟所であり、中国最大の孔子廟でもあります。中国歴代の皇帝達によって増築、補修された結果、宮殿のような壮大な建築群となり、紫禁城、岱廟と並ぶ中国三大宮廷建築の一つと呼ばれています。孔廟の寺院建築群は、中国で紫禁城に次いで二番目に大きな歴史的建造物群となっています。1499年の火災後の大規模改築では、明朝の都城である紫禁城を強く反映されています。廟の主要部は9つの庭を取り囲むように建物が配置され、それら庭や建物は南北に向けられた長さ1.3kmの直線上に左右対称に並べられています。
孔府(こうふ):孔子の直系子孫とその家族が住んだ邸宅であり、孔子を祭祀する孔廟の東側に位置しています。典型的な封建貴族の荘園造りで、463もの部屋がある広大かつ華麗な建物です。勅使や高官を接見や、祭礼や所有地などに関する事務を行う場所である公的区域部と居住者の住居空間に区分されていました。歴代王朝の保護を受けていた孔子直系子孫(孔家)が居住したため中国有数の規模を誇る邸宅でしたが、孔家は中華人民共和国建国後に台湾に移住したため、現在では観光地として一般公開されています。
孔林(こうりん):孔子とその子孫の墓園で、2000㎡におよぶ広大な森林地帯に孔家一族の墓が点在しています。洙水橋の北にある享殿は、孔子祭の時に香壇を設けたところでその後方に孔子の墳墓があります。