■ハルピン概要
黒龍江省の省都・ハルピンは、「東方のパリ」「東方のモスクワ」と称された帝政ロシアの面影が色濃く残る街です。重厚な建築物・聖ソフィア教堂をはじめ帝政ロシア時代の名残を残す建築物が有名で、毎年冬に開催される「ハルピン氷雪祭り」には多くの観光客が訪れます。ロシア料理を基調としたグルメも楽しめます。
■聖ソフィア教堂
聖ソフィア大聖堂(中文表記:聖・索菲亜大教堂)は、1907年にロシアの従軍聖堂として建築されたハルピンを象徴するさ53mのロシア建築です。ビサンチン形式の影響を強く受けており、平面がラテン十字形であり、約2000人が収容できる規模を持ちます。内部の壁は色褪せ所々剥落した部分があり古色蒼然たる趣があります。窓ガラスにはステンドグラスは一切使われておらず、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』のレプリカなどが飾られ、豪華なシャンデリアは荘厳な雰囲気を醸し出しています。現在は教会としては使用されず、ハルピンの開拓期の写真をはじめ、絵画、教会堂などの模型が展示されるなど観光名所となっています。
聖堂周囲は商業施設が建ち並ぶ近代的な繁華街で聖ソフィア大聖堂はその中で異彩を放っています。
■中央大街
ハルピン市道里区にあるハルピン市役所公認のアジア最大の石畳の目抜き通り。ハルピンを代表する歴史的な大通りで、ロシア語でキタイスカヤと呼ばれ、昔は中国人街でした。全長1450m。ロシア統治時代の建築物が数多く残され、「東方のパリ」とも称される西洋風の街並みが一直線に建ち並んでいます。ルネサンス式、バロック式、折衷式など中国でも珍しい多種多様な市指定建築物や保護建築が数多くあります。花崗岩で敷き詰められた道は1924年に建設され、その後も改築が重ねられ、現在は中心通りは歩行者天国となり、その後の中国の都市の通りの手本となっています。夜はライトアップされ、遅くまで観光客でにぎわっています。現在もハルピン随一のショッピング街となっており、ロシア料理店や中華料理店、北朝鮮国営レストランなどもあります。夏場にはいたるところでビアホールテントが開かれています。土産物店も多くロシア民芸品やロシア軍放出品などが数多く見られます。
■東北虎林園
「東北虎」とは、シベリアトラ(アムールトラ、朝鮮虎)の中国名で、美しい毛皮を狙った密猟や生態系変化の影響により絶滅の危機に瀕しています。シベリア地域に2~3百頭が生息していると言われていますが、中国領にはわずか20数頭しかいないと見られています。極寒地域にはトラの餌となる動物が少なく、トラの行動圏は、1000平方キロにも及ぶと言われています。「東北虎林園」は、東北虎の絶滅を防ぐために、広い土地に虎を放し飼い状態で繁殖させている世界最大の施設です。毎年の繁殖により、園内には1000頭以上が生息しているとされています。園内ではバスに乗ってサファリパークのように園内を巡回見学できます。
■大洋島公園
ハルピン市を流れる松花江に浮かぶ太陽島に併設された、かつてのロシア人の別荘を公演として整備した公園で、氷雪祭りメイン会場のひとつとして利用されています。ハルピン最大の総合公園であり、太陽島の内、38km²が公園として整備され、園内には太陽石、水閣雲天、花卉園、丁香園、北方民芸精品館、鶴の群れ、鹿の島、太陽山、太陽湖、荷花湖、姉妹橋、蓮の湖、中日友誼園や、四季折々の美しい花や木が植えられた広い花壇、池、庭園などが整然と散在しています。公園内にある「氷雪芸術館」はマイナス15度の室温に設定され氷雪祭りを再現しており、氷雪祭り期間外にハルピンを訪れた人にとっては一見の価値があります。
■氷雪祭り
ハルピン氷祭りは世界三大氷祭りの一つに数えられるイベントで、毎年1月初旬~2月初旬に開催されています。イベント中はハルピン市内至るところに氷の彫刻が並べられますが、主な会場は太陽島公園、兆麟公園、氷雪大世界の市内3ヶ所です。各会場には、氷や雪を使った建築物やキャラクター像などが無数に並びます。夜にはライトアップされ幻想的な雰囲気に包まれます。約1ヶ月の会期中に50万人以上の観光客が訪れるハルピンの一大イベントです。