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文文の中国茶めぐりの旅~洞庭碧螺春~

うきうきする新茶の季節になりました。春の新茶といえば龍井茶と碧螺春ですね。今月は碧螺春を求めて蘇州に行ってきました。

「碧螺春(BI LUO CHUN)」は、中国緑茶の3大緑茶。龍井茶 黄山毛峰と並び非常に有名なお茶です。江蘇省呉県市や宜興市など太湖沿岸の地域に突き出すようにある洞庭東山と呼ばれる半島や洞庭西山と呼ばれる湖中の島などで作られるお茶です。西山へは3つの白い橋を渡ってたどり着きます。

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この地にある山は「花果山」とも言われ、果物栽培の地方としても有名です。年間平均気温が16℃と温暖な気候にめぐまれ、5月は枇杷(びわ)、6月は楊紅梅(ヤンメイ)、7・8月は桃李(すもも)が香り、9・10月は板栗(くり)、白果(ぎんなん)が熟し、石榴(ざくろ)、橘子(みかん)が色づきます。
年中、花と果物の恵みがある地です。

果樹園の果樹の下に碧螺春の茶樹が植えられていることから、果樹の香りが自然に移るため非常においしいお茶ができるのとも言われています。また、温暖な気候と霧が発生しやすく湿度のある環境は茶葉が育つのには非常によい環境でかなり早くからお茶作りが始められていたようです。碧螺春は、明末から清初に作られるようになったといわれています。

 

春分から清明節過ぎ穀雨までの期間に芽の部分を一芯一葉で摘みます。出芽して三日以内に摘まれた若芽にしかない「白毫」が多いのが特徴です。干茶の形状は非常に繊細で産毛の多い、芽の高級茶です。清明節前のお茶を明前茶とよび尊び、また白毫が多いほど高級茶とされています。1斤(500グラム)に含まれる芽の数は7~8万ともいわれます。 

製茶方法は、摘んだ茶葉をしばらくしばらくの間放置し、鉄の大きな鍋で殺青ー揉捻ー乾燥の作業をします。
薪(或いはプロパンガスのところもあり)で熱した鉄鍋に一回につき250g程度の茶葉を入れて数分円を描くようにかき混ぜます。その後、鍋の温度下げ、そこで炒りながら両手で掴んでは解す揉捻が行われます。
この作業を続けて行くと、次第に産毛が立ってきてきます。更に鍋の温度を下げ、産毛をさらに出し形を田螺のようにするために更に両手ですくってては揉み解すという作業を続けます。私が見学した際は40分くらいで出来上がりました。炒め終わったら紙の上に茶葉を広げて熱を取ります。

 洞庭西山でも東山でも茶農たちは新鮮な空気を吸って、農産物の恵みを享受しながらシンフルライフを送っています。彼らの頭の中はちょっぴり単純で(ごめんなさい~!)、そして何よりいつもリラックス。上海よりずっとハッピーライフが送れるかもしれませんね~。 

碧螺春の伝統的な煎れ方 上投法

湯で温めた茶器にあらかじめ湯を注いで後から茶葉を入れます。 碧螺春のように水分量が比較的多い茶は重みがあり、湯に茶葉が沈みます。

                       

~グルメ情報~

「太湖三宝」と賞される銀魚(シラウオ?)、梅鲚(カタクチイワシ科の魚?)、白蝦を使った料理は蘇州名物です。

また、じゅんさいも有名でスープに入っているのをよく見かけます。この地では、銘茶、果物をはじめ新鮮な湖の幸も堪能できます。

上海からも程よい距離に位置しぜひ皆様にも訪れて頂きたい場所です。

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 蘇州洞庭西山の茶畑から太古を望む 2013年4月レポート 文文