日本では考えられないスピードと規模で急速にキャッシュレス化が進む中国。
現在の中国では、Alipay (アリペイ、支付宝)とWeChatPay(ウィーチャットペイ、微信支付)、の2台巨頭によるQRコード読取りによるスマホ決済が主流となっており、現金やクレジットカード決済のシェアは低下の一方です。QRコードからさらに進化した顔認証や静脈認証などの取り組みも実施されています。
訪日観光客数No1の中国人観光客の獲得、地域や店舗に中国マネーを落とさせるためには、中国語情報発信による集客に加えて、キャッシュレス決済の仕組みを導入することが先決です。
中国キャッシュレス・スタディツアーでは、現在の中国人の決済スタイルをつぶさに見て回り、キャッシュレスの現状と将来像を考察いたします。
ご要望に応じて、キャッシュレスセミナー、インバウンドセミナーや企業視察、一般観光(上海市内外)もアレンジいたします。
参考スケジュール(2泊3日) ※延泊可能、スケジュール内容調整、追加変更可能、セミナー、観光アレンジ可能
D1 | 上海到着⇒専用車⇒上海中心部へ移動 ①インバウンドセミナー、キャッシュレスセミナー(ご要望に応じてアレンジ可能) ②キャッシュレス現場視察(例:市内スーパー、果物店、青果店、証明写真、自販機など) ホテルチェックイン 【宿泊:上海市内ホテル】 朝☓昼☓夜☓ |
D2 | ホテルにて朝食後出発 ③カルフール北新経(顔認証決済) ④フーマーフレッシュ/盒馬鮮生、ロボットレストラン ⑤静脈認証決済技術 【宿泊:上海市内ホテル】 朝◯昼☓夜☓ |
D3 | ホテル朝食後チェックアウト 市内観光、南京西路・スターバックス旗艦店見学など 空港へ移動 朝◯昼☓夜☓ |
《参考料金(10名様のとき)》 2名1室2,800元/人~ 1名1室+900元/人~
【料金に含まれるもの】2泊ホテル室料(朝食込)、専用車両3日(上海市内)、日本語ガイド、調整手数料
【料金に含まれないもの】昼食代、夕食代、セミナー料金(セミナールーム室料、機材代、)、企業視察調整代、観光地入場料
大人数、少人数でも承ります。ご相談ください。
上海東和旅行社 総経理 浮田真吾 ukita.shingo@gmail.com 13817309297
上海
首都・北京を凌ぐ中国最大の経済都市・上海は、世界8位の経済規模、アジアでは、東京都市圏、ソウル都市圏、大阪都市圏に次ぐ第4位となっています。また、世界6位の金融センターであり、アジアでは香港、シンガポール、東京に次ぐ4位となっています。
上海は1978年からの改革開放後の30年強の間に驚異の成長を遂げています。上海のGDPも30年強で40倍にも成長しています。
田舎の漁村だった上海が歴史の舞台に登場するのは1800年台からです。アヘン戦争に敗北した清国が上海を開港するとともに上海および中国の近代史が始まりました。「租界」と言われる「外国人居留地」が各所に設置され、上海は列強の入り混じった「魔都」へと変貌していき、1920~30年代には極東最大の都市になっています。疎開時代の名残として、外灘エリアは主にイギリスとアメリカ、淮海中路周辺にはフランス租界の建築物が今も多く残されています。東西に走る淮海中路に対し、南北に交わっているストリート、そして並行にはしる復興西路、思南路、衡山路、武康路などに歴史の面影を感じさせる建築物が今もなお原型を留めています。
スマホ先進国の中国では、決済に関しては「アリペイ(Alipay/支付宝)」と「ウィーチャットペイ(WeChat Pay/微信支付)」が非常にポピュラーな手段として定着しています。
QRコードを採用している両者は、専用のコードリーダーが不要なため、追加の設備投資は不要なこともあり、中国で急速に普及しました。今では露店の店先やタクシー、モバイク(摩拝単車)、自動販売機など、何でもスマホで料金が支払える環境になっています。外出の際は、スマホと鍵だけ。これが現在の中国人の姿です。
アリペイ(Alipay/支付宝)
[運営:アントフィナンシャル/アリババ系列]
ネットショップモール「タオバオ(淘宝網)」を運営するアリババ集団(阿里巴巴集団)の決済サービスです。「淘宝網(タオバオ)」は中国版楽天市場とも称されています。
中国のネット通販はサービス開始当初、お金を振り込んでも商品が届かなかったり、不良品で返品したくても連絡がつかなくなるといったトラブルが発生しがちでした。そこでアリババ集団は利用者の「支付宝(アリペイ)」アカウントにお金をチャージさせ、商品を購入する際は「支付宝(アリペイ)」に代金を支払い、販売業者は「支付宝(アリペイ)」から送られる支払完了通知をもって商品を発送するという仕組みを作りました。
利用者は届いた商品を確認し、不良品だったり注文と違う品物が届いた場合には返品や再発送を申し出ることができます。現在はアカウントに銀行口座を紐づけ、口座から直接引き落とすことも可能です。
この方式なら利用者が支払った購入代金を「アリペイ」が一時的に預かるため、販売業者に何らかの問題があればすぐに返金してもらえるので、安心してネット通販が利用できます。「アリペイ」の仕組みのおかげで、中国のネット通販は便利で安心かつ身近なサービスになったのです。
中国モバイルペイメント業界で約54%のシェアを占める世界最大の第三者決済となったアリペイ。
利用者はALIPAY(アリペイ)に会員登録し、商用サイトの支払画面からログインするか、モバイルアプリでQRコードを読み込んで支払い手続きをします。
2018年1月時点で5億2,000万人以上アクティブユーザーを抱え、世界450以上の金融機関パートナーを有しています。
アリペイには「芝麻信用(ゴマスコア)」という仕組みがあり、利用者個人の信用を350~950点ま での得点で表します。アリババ集団が運営する「淘宝網」や「天猫(Tモール)」の購入データも活用され、使い方次第でスコアが上がります。
点数が上がると、賃貸住宅サイト「小猪短租(シャオジュー)」で敷金が不要になったり、全国展開のレンタカーサービス「神州租車(シェンツウ)」でデポジットが不要になったり、シンガポールやルクセンブルクのビザが取りやすくなるといった特典があり、利用者は特典を上げるためにこぞって「支付宝(アリペイ)」を利用すると言われています。
アリペイは、通販や公共料金の支払いだけでなく、投資にも使えるので、利用者が多額の現金を預けている可能性があります。そういった意味では高額商品を扱う店舗に向いているとも言えます。
ウィーチャットペイ(WeChat Pay/微信支付)
[運営:テンセント(騰訊控股)]
「ウィーチャット(WeChat/微信)」は中国版LINEと称され、約6億人の中国人が毎日利用するという巨大SNSです。テキストと音声で無料チャットができるため、電話に代わるコミュニケーションツールとして利用されています。
この「WeChat」に付随する決済サービスがウィーチャットペイ(WeChat Pay/微信支付)であり、運営会社のテンセントが2014年からサービスを開始し、それまでNO.1のシェアを誇っていた「支付宝(アリペイ)」と肩を並べるサービスとして定着しています。決済の手順は「支付宝(アリペイ)」とほぼ同じで、コードにスマホをかざして読み取り、その後、店主から聞いた金額をスマホに入力するだけで、アカウントに紐づけられた銀行口座からダイレクトに引き落としをします。
「Wechat」は9億人近いユーザーを有しており、毎月のアクティブユーザ数はおよそ5.5億人とも言われてます。利用者が圧倒的に多いことから、ウィーチャットペイ利用者は破竹の勢いで広まっていきました。
テンセントは「Wechat」に決済機能を盛り込む一方で、人海戦術であらゆる店のレジに自社のスマホ決済専用の2次元バーコードを貼り付け、ユーザーをスマホ決済に誘導したと言われています。決済金額は「支付宝(アリペイ)」に及ばないものの、8.3億人の決済ユーザーを獲得しており、株価も急上昇を遂げています。
コミュニケーションアプリから出発したウィーチャットペイは利用者が多く、中国人になじみのあるサービスですが、すでに広まっているアリペイと同じような使い方をする人が増えていくかどうかは微妙です。ネット上には「微信は小銭入れ、アリペイは家の財産が入ってる」などというコメントが見られることもあり、ウィーチャットペイは比較的手頃な価格の商品を扱う店舗に向いていると言えます。
フーマフレッシュ/盒馬鮮生 [アリババ系]
フーマフレッシュは、海鮮、生鮮野菜などを中心にしたスーパーであり本格レストランが併設されています。レストランの料理は、すべてスーパーで販売している食材を使っています。また、半径3km以内に設定された「フーマ区」では、スマートフォンから食材や料理を注文することができ、最短30分で配送する仕組みができています。「店で買う、食べる」「家で作る、食べる」と4通りの楽しみ方ができる新形態のスーパーです。
店内の支払いは全てスマホ決済であり、盒马アプリからQRコードを出して支払います。アリババ系店舗のためアリペイのみでウィーチャットペイは不可です。
現在、北京、上海、杭州などを中心に37店舗を展開し、大規模な出店計画が進んでいます。
ロゴマークはカバがあしらわれています。カバをの中国語「河马」と「盒马」は音が同じことからロゴマークに採用されています。
ROBOT.HE 機器人餐庁
2018年2月、アリババグループが上海嘉定区南翔にスーパー盒馬鮮生・上海南翔店をオープン、店内にロボットレストラン「ROBOT.HE 機器人餐庁」があり、ハイテクレストランとして地元で話題となっています。
このロボットレストランでは、注文から決済まで全て、アプリで完了、注文した食事は、モバイルカーにより運ばれてきます。
このレストランは日本の回転寿司の巨大版のようなレーンで注文された品物が運ばれてきます。注文手順は次のとおりです。
盒馬鮮生アプリをダウンロード⇒盒馬鮮生のアプリ内の決済QRコードをスキャン、座席NO.を受取りレストラン入店⇒座席NO.通テーブル着席⇒テーブルにあるQRコードをスキャンして料理を注文(海鮮類は、スーパー内で直接食材を見て注文可)⇒[テーブル設置画面に注文した料理の過程が「準備中」「調理中」など表示]⇒注文の品を載せたモバイルカーが到着⇒「ご注文の料理ができました」の音声案内⇒上部のカバーを開けて料理をとりだす⇒モバイルカーは自動で蓋を閉め走り去る。
カルフール北新経 [テンセント系]
2018年1月にテンセントとカルフール(フランス)、中国のスーパー大手永輝超市の3社は、お互いの技術やノウハウを生かして新しい小売りサービスを提供するための資本業務提携を結びました。そして5月20日にカルフールとして世界初のスマートスーパー「ル・マルシェ」がオープンしました。
支払い方法には、銀行カードなどのほか、テンセントや他社のモバイル決済サービスに対応していますが、「微信(WeChat、ウィーチャット)」を使う場合はレジ不要の決済を実現しているのが特徴です。微信を使う場合は、ミニプログラムと呼ばれる微信内の機能を利用し、商品棚の前で決済ができるようになっています。具体的には、カルフールのミニプログラム上で、商品のパッケージに付いているバーコードをスキャンする。その後、端末の画面に表示された金額をテンセントのモバイル決済サービス「微信支付(WeChatPay、ウィーチャットペイ)」で支払えば、買い物客の端末がレジ代わりになる仕組みです。店を出る場合は、支払い履歴を示すQRコードを店員に見せて、店員側の端末で読み込んでもらいます。支払い履歴が確認できれば、専用の出口から退店できる仕組みです。他社が展開する店舗のようにセルフレジも用意しており、必要な条件を満たせば顔認証による支払いもできます。
ディープ・ブルー(静脈認証決済技術)
Deepblue Techは無人コンビニ「Take Go」を開発するテックカンパニーで、すでに中国EC最大手のアリババ(阿里巴巴集団)と飲料メーカー最大手のワハハ(娃哈哈)と組んで、上海で無人コンビニ「Take Go」を運営しています。
「Take Go」はオープン式自販機で、事前に決済システムと生体情報を登録しておくことで、人や端末を介在することなく買い物ができるというものです。自販機トビラのセンサに手をあてると、静脈認証でトビラのロックが解除され、商品を取り出すと自動で決済が行われます。
個別の商品は、カメラによる画像認識で判別している。判別しているのは、商品の形状や色だけでなく、人が商品を取り出す動きも含まれるので、どんな取り方をしてもAIで正確にどの商品がピックアップされたかを認識するようになっています。